宅地建物取引士資格とは

宅地建物取引業を営もうとする者は、宅地建物取引業法(以下「宅建業法」という。)に基づき、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受ける必要がある。免許を受けるに当たり、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。宅地建物取引士になるためには、まず、宅建業法で定める宅地建物取引士資格試験に合格しなければならない。(引用:宅地建物取引士資格試験(宅建試験)とは(一般財団法人不動産適正取引推進機構のウェブサイト))

(宅地建物取引士の設置)
第三十一条の三 宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない宅地建物取引業法・e-Gov法令検索
(法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める数)
第十五条の五の三 法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める数は、事務所にあつては当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する同項に規定する宅地建物取引士(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の数の割合が五分の一以上となる数、前条に規定する場所にあつては一以上とする。

宅地建物取引業法施行規則・e-Gov法令検索

それでは、宅地建物取引士資格試験で出題された民法の過去問にチャレンジしてみよう。

過去問にチャレンジ

【問 2】相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
2 隣接する土地の境界線上に設けた障壁は、相隣者の共有に属するものと推定される。
3 高地の所有者は、その高地が浸水した場合にこれを乾かすためであっても、公の水流又は下水道に至るまで、低地に水を通過させることはできない。
4 土地の所有者が直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根を設けた場合、隣地所有者は、その所有権に基づいて妨害排除又は予防の請求をすることができる。

宅地建物取引士資格試験 令和3年度(12月19日)問題
正解 3

民法の条文で確認しよう

(境界標の設置)
第二百二十三条 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

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1 正しい。条文通り。

(境界標等の共有の推定)
第二百二十九条 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。

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2 正しい。条文通り。

(排水のための低地の通水)
第二百二十条 高地の所有者は、その高地が浸水した場合にこれを乾かすため、又は自家用若しくは農工業用の余水を排出するため、公の水流又は下水道に至るまで、低地に水を通過させることができる。この場合においては、低地のために損害が最も少ない場所及び方法を選ばなければならない。

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3 誤り。水を通過させることができる。

((雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)
第二百十八条 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。

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4 正しい。直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根を設けることは禁止されている。なお、隣地所有者は、妨害排除請求や妨害予防請求することができる。

参考文献)物権法「第3版」 秋山靖浩他著 (日本評論社)、C-Book 民法Ⅱ〈物権〉 改訂新版(東京リーガルマインド)