今回のテーマは、「都市計画法」である。
それでは、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)の過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 宅地建物取引士資格試験 【問15】
【問15】 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 市街化区域については、都市計画に、少なくとも用途地域を定めるものとされている。
2 準都市計画区域については、都市計画に、特別用途地区を定めることができる。
3 高度地区については、都市計画に、建築物の容積率の最高限度又は最低限度を定めるものとされている。
4 工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とされている。
令和4年度 宅地建物取引士資格試験 令和4年10月16日
それでは、各肢を検討していこう。
2022年10月実施の問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 正しい。
市街化区域
既に市街地を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域
市街化区域には、建物の用途などを制限する13種類(住居系8種類、商業系2種類、工業系3種類)の用途地域が定められている。そして、市街化調整区域には、原則として用途地域の定めはない。
(都市計画法13条1項7号)
(関連)FP3級の過去問を解こう(2023年9月)【第1問】(21)~(25)
2 正しい。
都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物の建築や敷地の造成が行われたり、見込まれる一定の区域で、将来の計画的な街づくりを実現するうえで支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を準都市計画区域として指定し、用途地域、特別用途地区、風致地区等の地域地区に関する都市計画の一部を定めることができる。
(都市計画法8条2項)
3 誤り。
高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、または、土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区である。(都市計画法9条18項)
なお、設問は、「高度利用地区」の説明の一部である。(都市計画法9条19項)
第9条
18 高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。
19 高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。
4 正しい。
工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とする。(都市計画法9条12項)