今回のテーマは、「標準管理規約(配管設備の工事等)」である。

それではさっそく、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 マンション管理士試験 〔問25〕

〔問 25〕 配管設備の工事等に関する次のマンション管理士の意見のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 共用部分配管設備の清掃等に要する費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。
2 共用部分の配管の取替えはそれだけでかなり多額の費用がかかるため、特別決議により実施する必要があります。
3 共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられます。
4 あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定しておくことにより、修繕積立金を取り崩すことができます。

令和4年度 マンション管理士試験

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、令和4年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は令和5年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能である。(標準管理規約21条関係コメント⑦)

2 誤り。

計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター設備の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる。(標準管理規約47条関係コメント⑥オ)

したがって、特別決議により実施する必要はない。

3 正しい。

共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。(標準管理規約21条関係コメント⑦)

4 正しい。

あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者への補償の有無等についても十分留意することが必要である。(標準管理規約21条関係コメント⑦)

この場合、修繕積立金を取り崩すことができる。