今回のテーマは、「標準管理委託契約書」から「管理事務の内容及び実施方法」である。
それでは、「令和5年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和5年度 管理業務主任者試験問題 【問 5】
【問 5】 管理事務の内容及び実施方法に関する次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、不適切な記述のみを全て含むものは次の1 ~ 4 のうちどれか。
ア 別表第1 に掲げる事務管理業務のうち、理事会の円滑な運営を支援する理事会支援業務は、マンション管理業者自らが理事会の運営主体となって行う業務である。
イ 別表第2 に掲げる管理員業務のうち、立会業務における実施の立会いとは、外注業者の業務中、管理員が常に立ち会うことをいう。
ウ 管理組合がマンション管理業者に長期修繕計画案の作成業務を委託する場合は、当該業務の性格から、管理委託契約に含むものとすることが望ましい。
1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・ウ
4 ア・イ・ウ
令和5年度 管理業務主任者試験問題
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は執筆日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
ア 誤り。
理事会支援業務は、理事会の円滑な運営を支援するものであるが、理事会の運営主体があくまで管理組合であることに留意する。(標準管理委託契約書コメント別表第1 2関係①)
イ 誤り。
立会業務における「実施の立会い」とは、終業又は業務の完了確認等を行うものであり、外注業者の業務中、常に立会うことを意味しない。(標準管理委託契約書コメント別表第2関係⑥)
ウ 誤り。
長期修繕計画案の作成業務(長期修繕計画案の作成のための建物等劣化診断業務を含む。)以外にも、必要な年度に特別に行われ、業務内容の独立性が高いという業務の性格から、以下の業務をマンション管理業者に委託するときは、本契約とは別個の契約にすることが望ましい。
1 修繕工事の前提としての建物等劣化診断業務
2 大規模修繕工事実施設計及び工事監理業務
3 マンション建替え支援業務
(標準管理委託契約書コメント別表第1 1(3)関係②)