今回のテーマは、「集会の招集」である。
それではさっそく、「管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 管理業務主任者試験問題【問36】
【問 36】 集会及び集会招集通知に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
1 規約には集会の招集の通知を少なくとも会日の2 週間前までに発すると定めていたが、集会の会議の目的たる事項が理事会でまとまらなかったため、集会の開催日時及び場所を会日の2 週間前に通知し、その1 週間後に会議の目的たる事項が記載された招集の通知を発した。
2 集会招集通知で示していなかった会議の目的たる事項について、出席した区分所有者から決議を求められたが、規約に別段の定めがなかったので議事とすることを認めなかった。
3 集会の招集通知手続は、あらかじめ各区分所有者の日程や会議の目的たる事項についての熟慮期間を確保するものであるから、区分所有者全員の同意があっても、当該手続を省略することはできない。
4 一部の区分所有者による集会招集権の濫用を防ぐため、規約を変更して、集会の招集を請求できる者の定数を区分所有者及び議決権の各4 分の1 以上にすることは可能である。
令和4年度 管理業務主任者試験問題 令和4年(2022年)12月4日
正解:2
それでは、問題を検討していこう。なお、法令等は、令和4年4月1日現在で施行されているものによるものとする。
1 誤り。
集会の招集の通知は、規約で別段の定めがある場合、その定められた期限までに、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。(区分所有法35条1項)
本肢の場合、規約で会日の2週間前までに集会の招集の通知を発すると定めている。
したがって、会議の目的たる事項を示さず、集会の開催日時及び場所を会日の2 週間前に通知し、その1 週間後に会議の目的たる事項が記載された招集の通知を発したのは不適切である。
2 正しい。
集会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。(区分所有法37条1項)ただし、区分所有法に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。(区分所有法37条2項)
本肢の場合、規約で別段の定めがないので、集会招集通知で示していなかった会議の目的たる事項については議事にすることができず、議事とすることを認めなかったことは適切である。
3 誤り。
集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。(区分所有法36条)
4 誤り。
区分所有者の5分の一以上で議決権の5分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。(区分所有法34条3項)
したがって、本肢の場合、定数を区分所有者及び議決権の各4 分の1 以上に増加することはできない。
(参考)ごうかく! 管理業務主任者 攻略問題集 2023年度(早稲田経営出版)