今回のテーマは、「標準管理委託契約書」である。
それでは、「令和3年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和3年度 管理業務主任者試験問題 【問 6】
【問6】次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。
1 マンション管理業者は、事務管理業務の管理事務の全部を、第三者に再委託することができる。
2 管理組合は、マンション管理業者に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等を無償で使用させるものとする。
3 マンション管理業者は、事務管理業務のうち出納業務を行う場合において、管理組合の組合員に対し管理委託契約に従って管理費等の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その責めを免れるものとし、その後の収納の請求は管理組合が行うものとする。
4 管理組合及びマンション管理業者は、解除事由の有無にかかわらず、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。
令和3年度 管理業務主任者試験問題
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2021年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
本テーマはこれまでに取り上げている。↓
管理業務主任者の過去問を解こう(令和4年度)「標準管理委託契約書(管理事務の範囲等)」
1 誤り。
マンション管理業者は、事務管理業務の管理事務の一部又は管理員業務、清掃業務若しくは建物・設備等管理業務の
管理事務の全部若しくは一部を、別紙1に従って第三者に再委託(再委託された者が更に委託を行う場合以降も含む。)することができる。(標準管理委託契約書4条1項)
したがって、マンション管理業者は、事務管理業務の管理事務の全部を、第三者に再委託することはできない。
2 正しい。
管理組合は、マンション管理業者に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等を無償で使用させるものとする。(同契約書7条1項)
3 正しい。
マンション管理業者は、事務管理業務のうち出納業務を行う場合において、管理組合の組合員に対し管理委託契約に従って管理費等の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その責めを免れるものとし、その後の収納の請求は管理組合が行うものとする。(同契約書11条1項)
4 正しい。
管理組合及びマンション管理業者は、解除事由の有無にかかわらず、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。(同契約書21条)