今回のテーマは、「リスク管理」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】(6)~(10)

【第1問】 次の各文章((6)~(10))を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。

(6) 国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、既払込保険料相当額の90%まで補償される。
(7) 定期保険特約付終身保険(更新型)は、定期保険特約を同額の保険金額で更新する場合、更新にあたって被保険者の健康状態についての告知や医師の診査は必要ない。
(8) 変額個人年金保険は、特別勘定の運用実績によって、将来受け取る年金額や死亡給付金額は変動するが、解約返戻金額は変動しない。
(9) 自動車保険の車両保険では、一般に、被保険自動車が洪水により水没したことによって被る損害は、補償の対象となる。
(10) 地震保険では、保険の対象である居住用建物または生活用動産(家財)の損害の程度が「全損」「大半損」「小半損」「一部損」のいずれかに該当した場合に、保険金が支払われる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)

【注】問題指示文一部改変。

それでは、各肢を検討していこう。
2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

6 ✖

生命保険契約者保護機構では、再保険を除く、国内の元受保険契約(財形保険も同様)で、運用実績連動型保険契約の特定特別勘定部分以外について、破綻時点の責任準備金等90%(ただし、高予定利率契約は除く)が補償される。

(関連)FP1級の過去問を解こう(2023年5月)「保険契約者保護機構」

7 〇

定期保険特約付終身保険とは、主契約となる終身保険に特約として、定期保険をつけることで、一定期間のみ保障を厚くしている。全期型更新型がある。

このうち、更新型は、特約の保険期間を特定の年数で区切って設定し、期間終了ごとに更新していく。
なお、自動更新されるので、医師の診査告知不要である。ただし、更新時点の年齢で保険料が再計算されるので、更新前より高くなる。

8 ✖

変額保険は、保険会社が受け取った保険料を株式や債券等で運用し、その運用成果によって保険金額や解約返戻金、年金額が変動する。
保険料は、特別勘定で運用されている。
変額保険には、終身型と有期型の2種類があり、どちらも解約返戻金等は、運用成果によるので、最低保証額はない。
ただし、死亡保険金等には、最低保証額が設定されている

9 〇

任意の自動車保険の車両保険で、「一般条件」の場合、他車との衝突、盗難火災、台風による洪水高潮のほか、単独事故、当て逃げによる損害は、いずれも補償される。

ただし、地震噴火津波による損害は、特約がなければ、補償されない。

(関連)FP2級の過去問を解こう(2023年5月)「任意の自動車保険」

10 〇

地震保険では、損害の程度によって「全損」「大半損」「小半損」「⼀部損」の認定を行い、それぞれ地震保険金額の100%・60%・30%・5%が支払われる。(平成29年(2017年)1月1日以降保険始期の地震保険契約の場合)

(関連)FP2級の過去問を解いてみよう(2023年1月)「火災保険と地震保険の商品性」