今回のテーマは、「ライフプランニングと資金計画」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】(1)~(5)
【第1問】 次の各文章((1)~(5))を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。
(1) ファイナンシャル・プランナーが顧客と投資顧問契約を締結し、当該契約に基づき金融商品取引法で定める投資助言・代理業を行うためには、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
(2) アルバイトやパートタイマーが、労働者災害補償保険の適用を受けるためには、1週間の所定労働時間が20時間を超えていなければならない。
(3) 国民年金の第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者や学生などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。
(4) 国民年金基金の加入員は、所定の事由により加入員資格を喪失する場合を除き、加入している国民年金基金から自己都合で任意に脱退することはできない。
(5) 住宅ローンの一部繰上げ返済では、返済期間を変更せずに毎月の返済額を減額する返済額軽減型よりも、毎月の返済額を変更せずに返済期間を短くする期間短縮型のほうが、他の条件が同一である場合、通常、総返済額は少なくなる。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)
【注】問題指示文一部改変。
それでは、各肢を検討していこう。
2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 〇
金融商品取引業者としての内閣総理大臣の登録を受けていないFPは、投資判断の助言等を行ってはならない。
投資顧問契約に基づいて助言を行うことは、金融商品取引業に該当する。(金融商品取引法)
(関連)FP2級の過去問を解こう(2023年9月)「FP業務と関連法規」
2 ✖
労働者災害補償保険(労災保険)の適用を受ける労働者は、労働者全員である。アルバイト、パートなど雇用形態や労働時間に関係なく、加入が義務付けられている。
労働者災害補償保険(労災保険)とは
労働者の業務上または通勤途中における負傷、疾病、障害、それに伴う介護、死亡に対して必要な保険給付を行う。
保険料は事業者が全額負担する。
保険料を計算する際の保険料率は業種により異なる。
なお、1週間の所定労働時間が20時間未満の労働者が被保険者とならないのは、雇用保険である。
雇用保険の加入要件は、次の要件をともに満たせば、「パート」や「アルバイト」という名称、事業主や労働者の希望の有無にかかわらず、被保険者として加入する必要がある。(暫定任意適用事業を除く)
① 1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。
② 31 日以上の雇用見込みがあること。
(関連)FP2級の過去問を解こう(2023年5月)「労働者災害補償保険」
3 ✖
国民年金の第1号被保険者は、国内に住所のある20歳以上60歳未満の者で自営業者やその配偶者、学生などである。
したがって、日本国籍を有するという要件はない。
なお、第2号被保険者とは、会社員や公務員など、第3号被保険者とは、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者である。
(関連)FP2級の過去問を解こう(2022年9月)(国民年金の保険料)
4 〇
国民年金基金は、自己都合で任意に脱退はできない。
5 〇
住宅ローンの繰上げ返済とは
住宅ローンの返済期間中に、毎月の返済以外に元金の一部または全部を返済すること。
繰上げ返済することで、その分の利息を減らすことができる。
繰上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型がある。
そして、期間短縮型の方が、返済額軽減型よりも、他の条件が同一である場合、通常、総返済額は少なくなる。