今回のテーマは、「建築基準法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題46

問題 46
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。
2.建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない。
3.第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない。
4.道路斜線制限(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限)は、原則として、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域における建築物にのみ適用され、商業地域における建築物には適用されない。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:4

2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

本テーマについては、これまでに扱っている。↓
FP2級の過去問を解こう(2023年5月)「建築基準法の集団規定」

1 正しい。

商業地域工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない

2 正しい。

建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない高さ制限があるため

3 正しい。

第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない

用途制限(抜粋)

用途地域











/建物用途
第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域田園住居地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域第二
種住居地域
準住居地域近隣商業地域商業地域準工業地域工業地域工業専用地域
住宅・老人ホーム・図書館×
幼稚園・小学校・中学校・高校××
大学×××××
診療所
病院×××××
カラオケボックス××××××
◎は、用途に供する部分が1万㎡以下の場合に限り建築可能

4 誤り。

道路斜線制限は、すべての用途地域・用途地域の指定のない区域内で適用される