今回のテーマは、「建築基準法(内装・構造)」である。
それではさっそく、「賃貸不動産経営管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験 【問 14】
【問 14】 建築基準法に規定する内装・構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事は対象とならない。
2 建築基準法のシックハウス対策の規定は、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合に適用となる。
3 防火区画となる壁・床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。
4 共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない。
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、令和4年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は令和5年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 誤り。
建築基準法では、火災により、建物内部の延焼を防ぐため、その用途規模に応じて内装材料などに様々な制限(内部制限)を加えている。(建築基準法35条の2、同法施行令128条の3の2~128条の5)
そして、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事も対象となる。
2 正しい。
居室を有する建築物にあつては、化学物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。(建築基準法28条の2第3項)
そして、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合にも適用となる。
3 正しい。
防火区画となる壁・床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。(建築基準法36条、同施行令112条)
4 正しい。
共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない。
(建築基準法30条1項)
(長屋又は共同住宅の各戸の界壁)
第三十条 長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 その構造が、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
二 小屋裏又は天井裏に達するものであること。
2 前項第二号の規定は、長屋又は共同住宅の天井の構造が、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために天井に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、適用しない。
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