今回のテーマは、「任意加入の自動車保険」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題17
問題 17
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
1.被保険自動車を運転中に飛び石により窓ガラスにひびが入った場合、一般車両保険の補償の対象となる。
2.被保険自動車を運転中に、通行人が連れていたペットに誤って衝突して死亡させ、法律上の損害賠償責任を負った場合、対物賠償保険の補償の対象となる。
3.被保険自動車を運転中に衝突事故を起こして被保険者がケガをした場合、被保険者の過失割合にかかわらず、人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。
4.被保険自動車を運転中に衝突事故を起こして被保険者の配偶者がケガをした場合、対人賠償保険の補償の対象となる。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)
それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年(令和4年)10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。
「任意加入の自動車保険」については、これまでに本ブログでも取り上げている。こちらから
1 正しい。
FP先生
車両保険
- 衝突、接触、爆発、盗難などの事故による車両損害等に対する補償
- 「一般条件」の場合、他車との衝突、盗難、火災、台風による洪水や高潮のほか、単独事故、当て逃げによる損害は、いずれも補償されるが、「車対車+A」(エコノミー型)などの補償範囲限定タイプは、一般に単独事故、当て逃げは補償されない
- 地震、噴火、津波による損害は、特約がなければ、補償されない
2 正しい。
民法では、「物」を有体物に限定している。(民法85条)ペットなどの動物についての明文の規定はないが、この条文に従って、動物は「物」であると解されている。
FP先生
対物賠償保険
- 他人(家族以外)の物を壊した場合、損害額を補填
- 本人・配偶者・父母・子の財物は補償されない
- 酒酔い運転、無免許運転(免許失効中も含む)による事故も補償
- 保険金の額は無制限にできる
3 正しい。
FP先生
人身傷害補償保険
事故で死傷したり、後遺障害を被った場合、示談を待たずに、自分の過失部分も含めて、保険金額を限度とする損害額の全額が過失相殺されず自分の保険会社から支払われる。
4 誤り。
FP先生
対人賠償保険
- 他人(家族以外)を死傷させた場合、自賠責保険で支払われる金額を超える部分のみを補填
- 酒酔い運転、無免許運転(免許失効中も含む)による事故も補償
- 本人・配偶者・父母・子が被害者の場合、保険金は支払われない
- 保険金の額は無制限にできる
(参考)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)