今回のテーマは、「区分所有法」である。
それでは、宅地建物取引士資格試験(宅建士試験)の過去問にチャレンジしてみよう。
なお、本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」と称する。
令和5年度 宅地建物取引士資格試験 【問13】
【問 13】 建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
2 集会は、区分所有者の4 分の3 以上の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
3 共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがある場合を除いて、各共有者がすることができるため集会の決議を必要としない。
4 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8 人である場合、3 人が反対したときは変更することができない。
令和5年度 宅地建物取引士資格試験 令和5年10月15日
1 正しい。
集会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
なお、区分所有法で集会の決議につき、区分所有法で特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。(区分所有法37条)
2 誤り。
集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。(36条)
したがって、区分所有者の4 分の3 以上の同意では足りない。
3 正しい。
共用部分の管理に関する行為のうち、保存行為は、各共有者がすることができる。
なお、これは、規約で別段の定めをすることもできる。(18条)
4 正しい。
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。(30条2項)
そして、これを規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。(31条2項)
したがって、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8 人である場合、3 人が反対したときは変更することができない。