今回のテーマは、「固定資産税」である。

それでは、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)の過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 宅地建物取引士資格試験 【問24】

【問 24】 固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 固定資産税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。

2 土地価格等縦覧帳簿及び家屋価格等縦覧期間は、毎年4月1日から、4月20日又は当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間である。

3 固定資産税の賦課期日は、市町村の条例で定めることとされている。

4 固定資産税は、固定資産の所有者に課するのが原則であるが、固定資産が賃借されている場合は、当該固定資産の賃借権者に対して課される。

令和4年度 宅地建物取引士資格試験 令和4年10月16日

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
2022年10月実施の問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 誤り。

固定資産税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない。(地方税法364条1項)

2 正しい。

市町村長は、固定資産税の納税者が、その納付すべき当該年度の固定資産税に係る土地又は家屋について土地課税台帳等又は家屋課税台帳等に登録された価格と当該土地又は家屋が所在する市町村内の他の土地又は家屋の価格とを比較することができるよう、毎年4月1日から、4月20日又は当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間、その指定する場所において、土地価格等縦覧帳簿又はその写し(当該土地価格等縦覧帳簿の作成が電磁的記録の作成をもつて行われている場合にあっては、当該土地価格等縦覧帳簿に記録をされている事項を記載した書類。)を当該市町村内に所在する土地に対して課する固定資産税の納税者の縦覧に供し、かつ、家屋価格等縦覧帳簿又はその写し(当該家屋価格等縦覧帳簿の作成が電磁的記録の作成をもつて行われている場合にあつては、当該家屋価格等縦覧帳簿に記録をされている事項を記載した書類。)を当該市町村内に所在する家屋に対して課する固定資産税の納税者の縦覧に供しなければならない。(地方税416条1項)

3 誤り。

固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。(地方税359条)
したがって、市町村の条例で定めるのでなく、地方税法で定められている。

4 誤り。

固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。)に課する。(地方税法343条1項)

したがって、固定資産の賃借権者に対して課されるわけではない。