本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という。

今回のテーマは、「区分所有法(共用部分等の管理及び変更)」である。

それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和5年度 マンション管理士試験 〔問3〕

〔問 3〕 共用部分等の管理及び変更に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。ただし、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすことはないものとする。

ア 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の決議で決するが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
イ 共用部分の管理に関する事項は、共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)の場合を除いて、集会における区分所有者及び議決権の各過半数の決議で決するが、規約において、集会出席者の過半数で決すると定めることもできる。
ウ 共用部分以外の附属施設で区分所有者の共有に属するもの(これに関する権利を含む。)の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の決議で決するが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
エ 区分所有者の共有に属する建物の敷地(これに関する権利を含む。)の各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、建物の敷地の負担に任じ、建物の敷地から生ずる利益を収取する。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

令和5年度 マンション管理士試験

正解:4

ア 正しい。

共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。(区分所有法17条1項)

イ 正しい。

共用部分の管理に関する事項は、共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)の場合を除いて、集会の決議で決する。(18条1項本文)
そして、この規定は、規約で別段の定めをすることができる。(18条2項)

なお、集会の議事は、区分所有法または規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。(39条1項)

したがって、本肢の場合、規約において、集会出席者の過半数で決すると定めることもできる。

ウ 正しい。

建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、区分所有法17条(重大変更)、18条(保存行為・管理行為・軽微変更)、19条(共用部分の負担及び利益収取)の規定が準用される。(21条)

したがって、共用部分以外の附属施設で区分所有者の共有に属するもの(これに関する権利を含む。)の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の決議で決するが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

エ 正しい。

建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、区分所有法17条(重大変更)、18条(保存行為・管理行為・軽微変更)、19条(共用部分の負担及び利益収取)の規定が準用される。(21条)

したがって、区分所有者の共有に属する建物の敷地(これに関する権利を含む。)の各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、建物の敷地の負担に任じ、建物の敷地から生ずる利益を収取する。