本稿では、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」を「マンション管理適正化法」と称する。

今回のテーマは、「マンション管理士」である。

それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 マンション管理士試験 〔問46〕

〔問 46〕 マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア マンション管理士という名称を使用して区分所有者の相談に応じるためには、マンション管理士試験に合格するほか、国土交通大臣(指定登録機関が登録の実施に関する事務を行う場合は指定登録機関)の登録を受ける必要がある。
イ マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合は、その登録が取り消されるほか、30 万円以下の罰金に処される。
ウ マンション管理士は、5年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受講しなければならない義務があり、受講しない場合は、マンション管理士の登録の取消し又は期間を定めたマンション管理士の名称の使用停止命令を受けることがある。
エ マンション管理士は、その事務を行うに際し、マンションの区分所有者から請求があったときは、マンション管理士登録証を提示しなければならない義務がある。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

令和4年度 マンション管理士試験

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、令和4年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は令和5年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

ア 正しい。

マンション管理士という名称を使用して区分所有者の相談に応じるためには、マンション管理士試験に合格するほか、国土交通大臣(指定登録機関が登録の実施に関する事務を行う場合は指定登録機関)の登録を受ける必要がある。
(マンション管理適正化法30条1項、43条)

イ 誤り。

マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない(40条)が、罰則はない

ウ 正しい。

マンション管理士は、5年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受講しなければならない義務(41条、施行規則41条)があり、受講しない場合は、マンション管理士の登録の取消し又は期間を定めたマンション管理士の名称の使用停止命令を受けることがある。(33条2項、41条)

エ 誤り。

マンション管理士は、その事務を行うに際し、マンションの区分所有者から請求があったときでも、マンション管理士登録証を提示しなければならない義務はない。(31条参照)