今回のテーマは、「長期修繕計画作成ガイドライン」である。

それでは、「令和4年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 管理業務主任者試験問題 【問 25】

【問 25】 長期修繕計画の作成に関する次の記述のうち、長期修繕計画作成ガイドラインによれば、最も不適切なものはどれか。

1  長期修繕計画の対象の範囲は、単棟型のマンションの場合、管理規約に定めた組合管理部分である敷地、建物の共用部分及び附属施設(共用部分の修繕工事又は改修工事に伴って修繕工事が必要となる専有部分を含む。)である。
2  計画期間の設定の際は、新築マンションの場合は30年以上で、かつ大規模修繕工事が2 回含まれる期間以上とする必要があり、既存マンションの場合は20年以上の期間とする必要がある。
3  推定修繕工事費の算定における単価の設定の際は、新築マンション、既存マンションのどちらの場合であっても、修繕工事特有の施工条件等を考慮する。
4  長期修繕計画は、計画的に見直す必要があり、また、その際には、併せて、修繕積立金の額も見直す必要がある。

令和4年度 管理業務主任者試験問題

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

長期修繕計画の対象の範囲は、単棟型のマンションの場合、管理規約に定めた組合管理部分である敷地、建物の共用部分及び附属施設(共用部分の修繕工事又は改修工事に伴って修繕工事が必要となる専有部分を含む。)を対象とする。(長期修繕計画作成ガイドライン2章1節2一)

2 誤り。

計画期間は、30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とする。(長期修繕計画作成ガイドライン3章1節5)

この規定は、新築マンション、既存マンションのどちらの場合でも同じである。

3 正しい。

単価は、修繕工事特有の施工条件等考慮し、部位ごとに仕様を選択して、新築マンションの場合、設計図書、工事請負契約による請負代金内訳書等を参考として、また、既存マンションの場合、過去の計画修繕工事の契約実績、その調査データ、刊行物の単価、専門工事業者の見積価格等を参考として設定する。(長期修繕計画作成ガイドライン3章1節8二)

4 正しい。

長期修繕計画は、不確定な事項を含んでいるので、5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要である。なお、見直しには一定の期間(おおむね1~2年)を要することから、見直しについても計画的に行う必要があります。また、長期修繕計画の見直しと併せて、修繕積立金の額見直す。(長期修繕計画作成ガイドライン3章1節10)