今回のテーマは、「管理組合の会計」である。

それではさっそく、「管理業務主任者試験(令和4年度)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 管理業務主任者試験問題【問13】

【問 13】 管理組合の会計等に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。

1  理事長は、管理組合の会計年度の開始後、通常総会において収支予算案の承認を得るまでの間に、通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、通常総会において収支予算案の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるものについては、理事会の承認を得て支出を行うことができ、当該支出は収支予算案による支出とみなされる。
2  駐車場使用料収入は、当該駐車場の管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。
3  収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
4  管理組合の会計処理に関する細則の変更は、総会の特別多数決議を経なければならない。

令和4年度 管理業務主任者試験問題 令和4年(2022年)12月4日

正解:4

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

理事長は、会計年度の開始後、通常総会において、収支予算案の承認を得るまでの間に、通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、通常総会において収支予算案の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。(標準管理規約58条3項1号)

そして、この支出は、収支予算案の承認を得たときは、当該収支予算案による支出とみなす。。(標準管理規約58条4項)

2 正しい。

駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。(標準管理規約29条)

3 正しい。

収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。(標準管理規約61条1項)

4 誤り。

使用細則等の制定、変更又は廃止は、総会の決議を経なければならない。(標準管理規約48条1号)
この決議は、普通決議である。(参考:標準管理規約47条3項)