今回のテーマは、「金融資産運用」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】(11)~(15)

【第1問】 次の各文章((11)~(15))を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。

(11) 景気動向指数において、コンポジット・インデックス(CI)は、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを主な目的とした指標である。
(12) 追加型の国内公募株式投資信託において、収益分配金支払後の基準価額が受益者の個別元本を下回る場合、当該受益者に対する収益分配金は、その全額が普通分配金となる。
(13) 債券の信用格付とは、債券やその発行体の信用評価を記号等で示したものであり、一般に、BBB(トリプルビー)格相当以上の格付が付された債券は、投資適格債とされる。
(14) 日経平均株価は、東京証券取引所スタンダード市場に上場している代表的な225銘柄を対象として算出される。
(15) オプション取引において、他の条件が同一であれば、満期までの残存期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は高くなる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)

【注】問題指示文一部改変。

それでは、各肢を検討していこう。
2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

11 ✖

景気動向指数は、景気全体の動向を知るために、複数の景気指標を総合して算出したものである。

DI(ディフュージョン・インデックス)と、CI(コンポジット・インデックス)がある。
毎月、内閣府が発表する。
なお、2008年4月分以降、CIが公表の中心となっている。

CIは景気動向の大きさやテンポを、DIは、景気の波及の度合いを測定する。

(関連)FP2級の過去問を解こう(2023年9月)「景気動向指数・日銀短観」

12 ✖

投資信託の収益分配金には、「普通分配金」と「特別分配金」の2種類がある。

収益分配金支払後の基準価額が、受益者の個別元本を下回る場合、下回る部分は、特別分配金(元本払戻金)となる。
なお、普通分配金は課税対象だが、特別分配金は非課税である。

13 〇

債券の信用リスク
債券を発行した国や企業が、利息を支払わなかったり、満期時に元本を返済できないことがある。
このようなリスクを「信用リスク」という。

「信用リスク」と「格付け」
債券の信用リスクを判断する目安として、「格付け」がある。個別の債券について、「A」、「B」、「C」といった記号を使って、利息や元本の支払い能力の高さを表す。

債券の信用格付けは、一般に、BBB(トリプルビー)各相当以上が投資適格債とされる。

14 ✖

日経平均株価とは
日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場上場銘柄から選定した225銘柄から構成される平均株価のこと。
日経平均株価に組み入れる銘柄は、東証プライム市場の代表的な銘柄を選定・指標としているため、定期的に組み入れ銘柄の見直しが行われている。

(関連)FP2級の過去問を解こう(2023年5月)「東京証券取引所の市場区分等」

15 〇

デリバティブ取引とは
デリバティブとは、株式や債券などから派生した金融商品のことである。
「デリバティブ取引」には、「先物取引」、「オプション取引」、「スワップ取引」などがある。

オプション取引において、売る権利のことを、プット・オプションという。
なお、買う権利のことを、コール・オプションという。

他の条件が同一であれば、満期までの残存期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は高くなる

(関連)FP3級の過去問を解こう(2023年5月)【第1問】(11)~(20)