それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年5月28日実施)【第1問】(1)~(10)

次の各文章((1)~(10))を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい。

(1) 弁護士の資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客に対して、法定後見制度と任意後見制度の違いについて一般的な説明を行う行為は、弁護士法に抵触する。

(2) 雇用保険の基本手当を受給するためには、倒産、解雇、雇止めなどの場合を除き、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あることなどの要件を満たす必要がある。

(3) 障害基礎年金の受給権者が、生計維持関係にある65歳未満の配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害基礎年金には、配偶者に係る加算額が加算される。

(4) 遺族厚生年金を受給することができる遺族の範囲は、厚生年金保険の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、所定の要件を満たす配偶者、子、父母、孫、祖父母である。

(5) 日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)の使途は、入学金や授業料などの学校納付金に限られ、受験費用や在学のために必要となる住居費用などに利用することはできない。

(6) 延長保険とは、一般に、保険料の払込みを中止して、その時点での解約返戻金を基に、元契約よりも長い保険期間の定期保険に変更する制度である。

(7) 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、一般に、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなる。

(8) 自動車保険の人身傷害保険では、被保険者が被保険自動車を運転中、自動車事故により負傷した場合、損害額から自己の過失割合に相当する部分を差し引いた金額が補償の対象となる。

(9) 普通傷害保険では、特約を付帯していない場合、細菌性食中毒は補償の対象とならない。

(10) 自宅が火災で焼失したことにより契約者(=保険料負担者)が受け取る火災保険の保険金は、一時所得として所得税の課税対象となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年5月28日実施)

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 ②誤り。

FPは、弁護士の業務にあたる法律相談や法律事務(遺言書作成など)は受けてはならない。なお、本肢のような一般的な説明は、弁護士法には抵触しない。

2 ①正しい。

原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あることなどの要件を満たす必要がある。

3 ②誤り。

障害基礎年金には、配偶者の加算はない。(子の加算はある)
配偶者の加算があるのは、障害等級1級または2級に該当する障害厚生年金である。

4 ①正しい。

第1順位:配偶者(夫の場合には、55歳以上)、子(18歳到達年度の3月末まで、障がい者は20歳未満)、第2順位:父母(55歳以上)、第3順位:孫(18歳到達年度の3月末まで、障がい者は20歳未満)、第4順位:祖父母(55歳以上)

※条件を満たす配偶者と子が同時にいる場合は、配偶者受給権がある。

5 ②誤り。

国の教育ローンの使途は、入学金、授業料以外の受験料や通学費及び住居関連費用(敷金など)、受験の交通費など幅広く認められる

6 ②誤り。

延長(定期)保険とは、以後の保険料の払込を中止し、そのときの解約返戻金を保険料として、保険金額を変えないで、新たな一時払いの定期保険に切り替えること。保険期間は元の保険より短くなる。

7 ①正しい。

収入保障保険は、一時金で受け取る場合の受取額は、一般に、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなる。

8 ②誤り。

人身傷害保険では、自動車事故で死傷した場合、自分の過失割合にかかわらず補償される。

9 ①正しい

普通傷害保険は、特約がなければ、ウイルス性の食中毒、細菌性の食中毒は補償の対象外となる。

10 ②誤り。 

自宅が火災で焼失したことにより契約者(=保険料負担者)が受け取る火災保険の保険金は、非課税である