今回のテーマは、「株式の投資指標」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題25

問題 25
下記<X社のデータ>に基づき算出される株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.ROEは、20.0%である。
2.PERは、18倍である。
3.PBRは、3.6倍である。
4.配当利回りは、1.2%である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:4

本テーマについては、これまでも取り上げている。↓

それでは、各肢を検討していこう。

1 正しい。

自己資本利益率(ROE)とは
自己資本を使ってどれだけ最終利益を上げているのかを見る指標。その会社の収益力を表す。

自己資本利益率(%)(ROE) =  $ \frac{当期純利益}{自己資本}×100$

問題に当てはめて計算すると、
自己資本利益率(%)(ROE) = $ \frac{3,000億円}{1兆5,000億円}×100$ = 20.0%

X社のROEは、20.0%である。

2 正しい。

株価収益率(倍)(PER)とは
株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価収益率(倍)(PER) = $ \frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$

問題に当てはめて計算すると、
1株あたり当期純利益(EPS)  = $ \frac{当期純利益}{発行済株式数}$ なので、

1株あたり当期純利益(EPS)  = $ \frac{3,000億円}{3億株}$ = 1,000円

株価収益率(倍)(PER) =  $ \frac{18,000円}{1,000円}$ = 18倍

3 正しい。

株価純資産倍率(PBR)とは
株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価純資産倍率(倍)(PBR) = $ \frac{株価}{1株あたり純資産(BPS)}$

問題に当てはめて計算すると、
1株あたり純資産(BPS)= $ \frac{純資産}{発行済株式数}$ なので

1株あたり純資産(BPS) = $ \frac{1兆5,000億円}{3億株}$ = 5,000円

株価純資産倍率(倍)(PBR) = $ \frac{18,000円}{5,000円}$ = 3.6倍

4 誤り。

配当利回りとは
株価に対する年間配当金の割合を見る指標である。

配当利回り(%) = $ \frac{1株あたりの年間配当金}{株価}×100$

問題に当てはめて計算すると、
1株あたりの年間配当金 = $ \frac{540億円}{3億株}=180円$

配当利回り(%) = $ \frac{180円}{18,000円}×100=1$%

X社の配当利回りは、1%である。

株式投資の指標の計算問題は数字のケタが大きい。
電卓を使う場合、ゼロの数を間違えないように、「1億」を「1」として計算しよう。

(例)

300億円 → 300
5,000万円 → 0.5
600万円 → 0.06