今回のテーマは、「民法における配偶者居住権」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題60

問題 60
民法における配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。
2.被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。
3.被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
4.被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。(民法1030条本文)

2 誤り。

配偶者居住権は、譲渡することができない。(民法1032条2項)

3 誤り。

被相続人の配偶者は、相続開始時において、居住建物を被相続人と配偶者以外の者が共有していた場合にあっては、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができない。(民法1028条1項ただし書き)

なお、被相続人と配偶者の共有建物については、成立させることができる。

4 誤り。

被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、当該建物に係る配偶者居住権を取得する。(民法1028条1項本文)