今回のテーマは、「ポートフォリオの期待収益率」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題28

問題 28
Aさんは、預金、債券、株式でポートフォリオを組んだが、その後各資産の構成比の見直しを行った。
Aさんのポートフォリオが下表のとおりであった場合、Aさんの見直し前のポートフォリオの期待収益率と見直し後のポートフォリオの期待収益率の差(見直し後の期待収益率-見直し前の期待収益率)として、最も適切なものはどれか。

資産期待収益率標準偏差見直し前の
ポートフォリオの構成比
見直し後の
ポートフォリオの構成比
預金0.1%0.0%60%20%
債券2.0%3.0%20%30%
株式8.0%20.0%20%50%

1. 0.486%
2. 2.060%
3. 2.560%
4. 4.620%

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:3

それでは、問題を検討していこう。
なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。↓

FPトピックス(ポートフォリオ理論)

ポートフォリオ期待収益率

ポートフォリオ期待収益率は、ポートフォリオに組入れた各資産の期待収益率をポートフォリオへの組入比率で加重平均した値。

ポートフォリオの期待収益率 =(期待収益率×組入比率)の合計

(見直し前)

0.1% × 60% (預金) + 2.0% × 20%(債券) + 8.0% × 20%(株式) = 2.06%

(見直し後)

0.1% × 20% (預金) + 2.0% × 30%(債券) + 8.0% × 50%(株式) = 4.62%

したがって、期待収益率の差は、「4.62% – 2.06% = 2.56%」である。