今回のテーマは、「標準偏差・相関係数」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2024年1月28日実施)【第2問】

《設 例》

Aさん(35歳)は、保有している投資信託Yと投資信託Zについて、それぞれの値動きの相関関係を知りたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

《問56》 《設例》の〈投資信託Yと投資信託Zの実績収益率・標準偏差・共分散〉に基づいて、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
① 投資信託Yの標準偏差はいくらか。
② 投資信託Yと投資信託Zの相関係数はいくらか。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2024年1月28日実施)【第2問】改題

①6.16(%) ②-0.92

① 標準偏差の求め方

  1. 標準偏差=$\sqrt{分散}$なので、まず分散を求めよう。 
    まずは、総数の平均値を求める。
  2. 要素ごとに平均値との差を求める(偏差)
  3. 2で求めた値を2乗して、その総和を求め、要素数で割る。
  4. 3で求めた値の平方根を求める。

実際に計算してみよう。

  1. $\frac{10+12+(-4)+6}{4}=6$
  2. 第1期の偏差:10-6=4
    第2期の偏差:12-6=6
    第3期の偏差:-4-6=-10
    第4期の偏差:6-6=0
  3. $\frac{(4)^2+(6)^2+(-10)^2+(0)^2}{4}=\frac{16+36+100}{4}=38$
  4. $\sqrt{38}=6.16$(小数点以下第3位を四捨五入)

したがって、標準偏差は6.16%となる。

②相関係数=$\frac{共分散}{Aの標準偏差×Bの標準偏差}$ なので、
この計算式にあてはめると、
$\frac{-12}{6.16×2,12}=-0.9188…$

したがって、相関係数は、-0.92(小数点以下第3位を四捨五入)となる。