今回のテーマは、「外貨預金の利回り」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問題20
《問20》 下記の〈条件〉で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して外貨預金に預け入れ、満期時に外貨を円貨に交換して受け取る場合における利回り(単利による年換算)として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、3カ月は0.25年として計算し、税金等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
〈条件〉
・外貨預金の通貨、期間、利率
米ドル建て定期預金、期間3カ月、利率4.00%(年率)
・為替レート
TTS | TTM | TTB | |
預入時為替レート | 130.00円 | 129.50円 | 129.00円 |
満期時為替レート | 133.00円 | 132.50円 | 132.00円 |
1) 2.53%
2) 6.15%
3) 10.22%
4) 16.75%
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)
それでは、問題を検討していこう。
外国為替市場
インターバンク市場と対顧客市場に分かれる。
インターバンク市場とは、銀行間で通貨を売買する市場のことである。また、対顧客市場とは、銀行が一般の企業や個人を相手に取引を行う市場である。
カスタマーズレート(対顧客市場)
TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)
円を外貨に替える時に適用される為替レートのこと。金融機関が、顧客へ外貨を販売する時のレートである。
TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate)
外貨を円に戻すときの為替レートのことを指す。金融機関が、顧客から外貨を購入する際のレートとなる。
TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)
金融機関が顧客と外国為替取引を行う際の当日受け渡し用の基準レートで、TTSとTTBの平均値である。
本問では、預け入れ金額が設定されていない。ここでは、100米ドルとして計算する。
円を外貨に替える時に適用される為替レートはTTSで、預け入れ時のTTS130.00円で100米ドルに替える時に、必要になる円は、
100米ドル × 130.00円 = 13,000円
100米ドルを、年率4.00%で3か月(0.25年)預けると、利息は、
100米ドル × 4.00% × 0.25 = 1米ドル
よって、満期における元利合計額は、100米ドル + 1米ドル = 101米ドルである。
外貨を円に戻すときの為替レートはTTBである。満期時のTTB132.00円で101米ドルを円に戻すと、
101米ドル × 132.00円 = 13,332円
3か月での運用益
13,332円 ー 13,000円 = 332円
年換算した運用益(3か月×4=12か月=1年)
332円 × 4 = 1,328円
年換算した運用利回り
1,328円 ÷ 13,000円 × 100 = 10.215・・%
10.22%(小数点以下第3位を四捨五入)