今回のテーマは、「国民年金基金」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問題7
《問7》 国民年金基金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 国民年金基金の加入員が、保険料納付猶予制度により国民年金の保険料を納付することを要しない者とされた場合、国民年金基金の加入員資格を喪失する。
2) 国民年金基金の加入員が、4月から翌年3月までの1年分の掛金を前納した場合、0.1カ月分の掛金が割引される。
3) 国民年金基金の終身年金A型または確定年金Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型の加入者が年金受給前に死亡した場合、掛金納付期間の長短にかかわらず、遺族一時金として12万円が支払われる。
4) 国民年金基金の加入員が追納することができる国民年金の保険料の全部につき追納を行った場合、当該加入員の掛金の額は、当該追納が行われた日の属する月以後の特定追納期間に相当する期間(60月を上限)に限り、1月につき10万2,000円以下とすることができる。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)
それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 正しい。
国民年金の保険料を免除されたとき、加入資格を喪失する。
2 正しい。
4月から翌年3月までの1年分の掛金を前納すると0.1か月分の掛金が割引される。
3 誤り。
- 保証期間のある終身年金A型と確定年金Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型に加入している方が、年金を受け取る前、又は保証期間中に亡くなった場合、遺族に一時金が支払われる。
年金受け取る前に亡くなった場合、加入時の年齢、死亡時の年齢、死亡時までの掛金納付期間に応じた額の遺族一時金が支給される。
また、保証期間中に亡くなった場合、残りの保証期間に応じた額の遺族一時金が支給される。 - 保証期間のない終身年金B型のみに加入している場合でも年金を受給する前に亡くなった場合、1万円の一時金が遺族に支払われる。
(参考)国民年金基金のホームページ
したがって、掛金納付期間の長短にかかわらず、遺族一時金として12万円が支払われるのではない。
4 正しい。
国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)されていた者が免除期間分の保険料を全て追納したときは、追納された期間に相当する期間(ただし、最高5年間まで)で掛金の上限が月額102,000円になる特例がある。
(参考)国民年金基金のホームページ