今回は、「日銀短観」を取り上げる。過去問で問われたポイントを中心にみていこう。

日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の概要

定義 

業種別(製造業・非製造業など)・規模別に分けた約1万社の経営者に景況感などのアンケート調査を行う。業況について「良い」、「さほど良くない」、「悪い」で回答。

発表

日本銀行

調査時期

3カ月に一度3,6,9,12月

発表時期

4,7,10,12月

業況判断DI

業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値のこと。3か月後の見通しも同時に調査している。日銀が金融政策を決定する際の判断材料にも利用される。

業況判断DI = 「良いと回答した割合」ー 「悪いと回答した割合」

それでは、これまで見てきたポイントを過去問で確認してみよう。

過去問にチャレンジ

問題 21
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.日銀短観は、統計法に基づいて行われる調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、政府の財政政策の適切な運営に資することを目的としている。

2.日銀短観の調査は年4回実施され、その結果は、3月、6月、9月、12月に公表される。

3.日銀短観の調査対象企業は、全国の資本金1,000万円以上の民間企業(金融機関等を除く)の中から抽出され、各種計数が業種別および企業規模別に公表される。

4.日銀短観で公表される「業況判断DI」は、回答時点の業況とその3カ月後の業況予測について、「良い」と回答した企業の社数構成比から「悪い」と回答した企業の社数構成比を差し引いて算出される。

2022年5月試験 2級学科試験

正解:4

1 政府の財政政策ではなく日銀が金融政策を決定する際の判断材料にも利用される。

2 公表は、4,7,10,12月である。

3 全国の資本金2千万円以上の民間企業。

4 正しい。

参考文献)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版(ナツメ社 )、うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版 (日本経済新聞出版)