本ブログでは、「賃貸不動産経営管理士」を「賃貸管理士」と称する。

今回のテーマは、「入居者の募集」である。

それでは、「賃貸不動産経営管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験 【問 47】

【問 47】 賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 入居希望者が独身の後期高齢者である場合、健康状態の確認のため、病歴を申告する書類の提出を求める必要がある。
2 入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断される場合であっても、契約者ではない同居人の年収の申告を求めるべきではない。
3 サブリース方式では、特定転貸事業者は借受希望者との交渉を任されている立場に過ぎず、最終的に入居者を決定する立場にはない。
4 入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する必要がある。

令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験

正解:4

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 誤り。

入居希望者が独身の後期高齢者である場合、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の目的である「高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスの提供を受けることができる良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅等の登録制度を設けるとともに、良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅の供給を促進するための措置を講じ、併せて高齢者に適した良好な居住環境が確保され高齢者が安定的に居住することができる賃貸住宅について終身建物賃貸借制度を設ける等の措置を講ずることにより、高齢者の居住の安定の確保を図り、もってその福祉の増進に寄与すること。(同法1条)」に鑑み、理由なく入居を拒んではならない

したがって、健康状態の確認のため、病歴を申告する書類の提出を求めることは不適切である。

2 誤り。

入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断される場合には、同居人と合算で年収を考慮することが考えられる。

したがって、契約者ではない同居人の年収の申告を求めることは適切である。

3 誤り。

サブリース方式では、特定転貸事業者(サブリース業者)が、最終的に入居者を決定する権限がある

4 正しい。

入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する必要がある