本ブログでは、「賃貸不動産経営管理士」を「賃貸管理士」と称する。
今回のテーマは、「賃貸住宅標準管理受託契約書(以下「受託契約書」と称する。」である。
それではさっそく、「賃貸不動産経営管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験 【問 3】
【問 3】 賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23 日公表。以下、各問において「標準管理受託契約書」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 鍵の管理(保管・設置、交換及びその費用負担)に関する事項は、賃貸住宅管理業者が行うこととされている。
2 入居者から代理受領した敷金等は、速やかに賃貸人に引き渡すこととされている。
3 賃貸住宅管理業者は、あらかじめ入居者に通知し、承諾を得なければ住戸に立ち入ることができないものとされている。
4 賃貸住宅管理業者は、賃貸人との間で管理受託契約を締結したときは、入居者に対し、遅滞なく連絡先等を通知しなければならず、同契約が終了したときにも、管理業務が終了したことを通知しなければならないものとされている。
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 誤り。
鍵の管理(保管・設置、交換及び費用負担含む)に関する事項は委託者(賃貸人)が行う。(受託契約書12条1項)
2 正しい。
乙は、入居者から代理受領した敷金等を、定められた振込先に振り込むことにより、速やかに、委託者(賃貸人)に引き渡さなければならない。(受託契約書7条1項)
3 正しい。
賃貸住宅管理業者は、管理業務を行うため必要があるときは、住戸に立ち入ることができる。(受託契約書17条1項)
この場合において、賃貸住宅管理業者は、あらかじめその旨を本物件の入居者に通知し、その承諾を得なければならない。(同条2項)
4 正しい。
賃貸住宅管理業者は、賃貸住宅について管理受託契約を締結したときは、入居者に対し、遅滞なく、管理業務の内容・実施方法及び賃貸住宅管理業者の連絡先を記載した書面又は電磁的方法により通知するものとする。(受託契約書23条1項)
そして、管理受託契約が終了したときは、委託者(賃貸人)及び賃貸住宅管理業者は、入居者に対し、遅滞なく、賃貸住宅管理業者による賃貸住宅の管理業務が終了したことを通知しなければならない。(同条2項)