今回のテーマは、「給湯設備」である。

それではさっそく、「管理業務主任者試験(令和4年度)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 管理業務主任者試験問題【問22】

【問 22】 住戸セントラル給湯方式の熱源機器及び配管に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1  自然冷媒ヒートポンプ給湯機とは、貯湯タンクを設ける必要がなく、冷媒として二酸化炭素を用い水を昇温させた後、湯を直接、必要箇所へ供給できる給湯機である。
2  潜熱回収型ガス給湯機とは、燃焼ガス排気部に給水管を導き、燃焼時に熱交換して昇温してから、燃焼部へ水を送り再加熱するものである。
3  さや管ヘッダ式配管工法とは、住戸の入口近くにヘッダを設置し、床下などに各衛生器具と一対一で対応させたさや管を敷設しておき、後からさや管内に樹脂管を通管して配管する工法である。
4  ガス給湯機の能力表示における1 号とは、毎分流量1 ℓの水の温度を25℃上昇させる能力をいう。

令和4年度 管理業務主任者試験問題 令和4年(2022年)12月4日

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 誤り。

自然冷媒ヒートポンプ給湯器とは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす機器のこと。空気の熱を熱交換器で冷媒(CO2)に集め、その冷媒を、電気エネルギーを使って圧縮機でさらに高温にし、その熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクに貯湯して給湯する。電力会社やメーカーなどでは「エコキュート」の愛称で呼ばれている。

2 正しい。

潜熱回収型ガス給湯器とは、環境に優しい高効率給湯器のことで、「エコジョーズ」とも呼ばれる。特徴としては、従来型の熱交換器は1つとされるが、潜熱回収型ガス給湯器においては2つ内蔵されることで、熱効率の向上に寄与するものである。

3 正しい。

さや管ヘッダ式配管工法とは、住戸の入口近くにヘッダを設置し、床下などに各衛生器具と一対一で対応させたさや管を敷設しておき、後からさや管内に樹脂管を通管して配管する工法である。

4 正しい。

ガス給湯機の能力表示における1号とは、1分間に1リットルの水を25℃温度上昇させる能力をいう。