今回のテーマは、「エレベーター」である。
それではさっそく、「管理業務主任者試験(令和4年度)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 管理業務主任者試験問題【問24】
【問 24】 エレベーターに関する次の記述のうち、建築基準法によれば、最も不適切なものはどれか。
1 地震時等管制運転装置とは、地震等の加速度を検知して、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする安全装置をいう。
2 乗用エレベーターには、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降したときなどに、自動的にかごを制止する安全装置を設けなければならない。
3 火災時などの災害時に消防隊が人の救助活動及び消火活動に利用するための非常用エレベーターは、高さ40mを超える建築物に設置が義務付けられている。
4 非常用エレベーターの乗降ロビーの床面積は、非常用エレベーター1 基について10m2以上としなければならない。
令和4年度 管理業務主任者試験問題 令和4年(2022年)12月4日
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 正しい。
地震時等管制運転装置とは、地震その他の衝撃により生じた加速度を検知し、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする安全装置をいう。(建築基準法施行令129条の10第3項2号)
2 正しい。
乗用エレベーターには、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に自動的にかごを制止する装置を設けなければならない。(建築基準法施行令129条の10第3項1号)
3 誤り。
高さ31mをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。
(建築基準法34条2項)
4 正しい。
床面積は、非常用エレベーター一基について10㎡以上とすること。(建築基準法施行令129条の13の3第3項7号)