今回のテーマは、「管理者の職務」である。

それではさっそく、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和4年度 マンション管理士試験 〔問5〕

〔問 5〕 次に掲げる事項のうち、区分所有法の規定によれば、管理者の職務(区分所有者を代理するものも含む。)に当たるものはいくつあるか。

ア 共用部分につき損害保険契約をした場合における、同契約に基づく保険金額の請求及び受領
イ 共用部分について生じた不当利得による返還金の請求及び受領
ウ 規約の保管
エ 集会における毎年1回一定の時期に行う管理者の事務に関する報告

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

令和4年度 マンション管理士試験

正解:4

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、令和4年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は令和5年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
また、「建物の区分所有等に関する法律」(昭和三十七年法律第六十九号)については、「区分所有法」と称する。

ア 職務に当たる。

管理者は、共用部分につき損害保険契約が締結されている場合、その損害保険契約に基づく保険金額の請求及び受領について、区分所有者を代理する。(区分所有法26条2項、同18条4項)

(権限)
第二十六条 (略)
2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
(略)
(共用部分の管理)
第十八条 (略)
4 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。

e-Gov法令検索・区分所有法

イ 職務に当たる。

管理者は、共用部分につき生じた、不当利得による返還金の請求及び受領について、区分所有者を代理する。(区分所有法26条2項)

ウ 職務に当たる。

規約は、管理者が保管しなければならない。(区分所有法33条1項)

エ 職務に当たる。

管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。(区分所有法43条)