宅地建物取引士資格試験(宅建試験)で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
今回のテーマは、「不動産の登記」である。
令和4年度 宅地建物取引士資格試験 問題
問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 所有権の移転の登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
2 所有権の移転の登記の申請をする場合において、当該申請を登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってするときは、登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由があるとみなされるため、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない。
3 所有権の移転の登記の申請をする場合において、登記権利者が登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしたときは、当該登記に係る登記識別情報は通知されない。
4 所有権の移転の登記の申請をする場合において、その登記が完了した際に交付される登記完了証を送付の方法により交付することを求めるときは、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。
令和4年度 宅地建物取引士資格試験 令和4年10月16日
正解:2
1 正しい。
登記原因証明情報が例外として不要な場合
- 所有権保存登記
- 登記原因が「仮処分による(一部)失効」の場合
- 混同が登記記録上明らかな場合の「混同」を原因とする抹消登記
(登記原因証明情報の提供)
第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
不動産登記法・e-Gov
2 誤り。
権利に関する登記の申請をする場合、申請人は、正当な理由がある場合を除いて、その申請情報と併せて登記義務者の登記識別情報を提供しなければならない。(不動産登記法22条)
登記の申請の代理を業とすることができる代理人(司法書士等)によって申請することは、正当な理由にはあたらない。
(登記識別情報の提供)
第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。
不動産登記法・e-Gov
3 正しい。
登記識別情報が通知される要件(不動産登記法21条)
- 登記の申請人であること
- 登記名義人となること
なお、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合などは通知されない。
4 正しい。
登記完了証とは、登記が終わりましたというお知らせである。
送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。(不動産登記規則182条2項)
(参考)司法書士 合格ゾーンテキスト 4 不動産登記法 Ⅰ、5 不動産登記法Ⅱ 根本正次著(東京リーガルマインド)