今回は「金融政策と金利」を取り上げる。なお、本稿は、2022年(令和4年)10月現在の情報に基づいている。それでは、過去問で問われたポイントを中心にみていこう。
金融政策
日本銀行は、物価の安定や持続的な経済成長や国際収支の均衡などの観点で金融政策を行う。金融政策の手段として、「公開市場操作」がある。
景気刺激策(金融緩和) | 景気抑制策(金融引き締め) | |||
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公開市場操作 | 買いオペ | 市場資金を供給 | 売りオペ | 市場資金を吸収 |
・買いオペ → 資金供給 → 金利低下(金融緩和)
・売りオペ → 資金吸収 → 金利上昇(金融引き締め)
経済動向と金利の変動
円安 → 金利上昇
円高 → 金利低下
経済動向と為替変動
内外金利差
日本と外国の金利差
日本の金利上昇(資金が海外から円にシフト) → 円高
日本の金利低下(資金が円から海外へシフト) → 円安
購買力平価説・・物価上昇率が継続的に高い国の通貨は、物価上昇率が低い国の通貨に対して価値が下がる。
通貨高の要因
- 景気上昇
- 海外からの投資額増加
- 輸出額増加
- 金利上昇
それでは、これまで見てきたポイントを過去問で確認してみよう。
過去問にチャレンジ
問題 21
為替相場や金利の変動要因に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.日本の貿易黒字の拡大は、一般に、円安要因となる。
2.日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安要因となる。
3.米国が政策金利を引き上げることにより、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に、円安要因となる。
4.日本銀行の金融市場調節の主な手段の1つである公開市場操作において、日本銀行が国債の買入れを行うことで市中に出回る資金量が増加することは、一般に、市中金利の低下要因となる。
2022年9月試験 2級学科試験
(参考文献)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版(ナツメ社 )、うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版 (日本経済新聞出版)