今回は、「消費税」を取り上げる。「簡易課税制度」を中心に過去問で問われたポイントをみていこう。

課税対象

日本国内において、事業者が事業として対価を得て行う取引であり、資産の譲渡、貸付や役務の提供等があることが要件となり、消費税が課税される。

非課税取引
・土地の譲渡・貸付(貸付期間が1カ月以上)
・住宅の貸付(貸付期間が1カ月以上)
・公社債、株式等の有価証券の譲渡(ただし、手数料は課税)
・預貯金や貸付金の利子、生命保険料や損害保険料

原則課税制度

以下の計算方法による。

消費税額 = 課税売上高に係る消費税額 ー 課税仕入高に係る消費税額

簡易課税制度

以下の計算方法による。

消費税額 = 課税売上高に係る消費税額 ー (課税売上高に係る消費税額 × みなし仕入れ率)

  • 基準期間の課税売上高が5000万円以下の事業者が適用できる。
  • 簡易課税制度の適用を受けようとする事業者は、その課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出することにより、簡易課税制度を選択することができる。
  • 新規開業等した事業者は、開業等した課税期間の末日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すれば、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができる。
  • 提出後2年間は事業を廃止した場合を除いて、取りやめることはできない
  • 簡易課税制度の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合には、その課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出する必要がある。

(参考)簡易課税制度(国税庁ホームページ)

それでは、これまで見てきたポイントを過去問で確認してみよう。

過去問にチャレンジ

問題 38
消費税の簡易課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.簡易課税制度の適用を受けることができるのは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者である。

2.新たに事業を開始した事業者は、事業を開始した日の属する課税期間内に、「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出することで、当該課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができる。

3.簡易課税制度を選択した事業者は、事業を廃止した場合を除き、原則として、5年間は簡易課税制度の適用を継続しなければならない。

4.簡易課税制度の選択を取りやめる場合、原則として、その適用を取りやめようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出しなければならない。

2022年5月試験 2級学科試験

正解:3

参考文献)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版(ナツメ社 )、うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版 (日本経済新聞出版)