今回のテーマは、「外貨預金の利回り」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題26

問題 26
以下の<条件>で、円貨を米ドルに交換して米ドル建て定期預金に10,000米ドルを預け入れ、満期時に米ドルを円貨に交換して受け取る場合における円ベースでの利回り(単利・年率)として、最も適切なものはどれか。なお、税金については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。

1. 3.17%
2. 4.79%
3. 6.17%
4. 7.79%

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:3

2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマはこれまでにも取り上げている。↓
FP1級の過去問を解こう(2023年5月)「外貨預金の利回り」

それでは、問題を検討していこう。

カスタマーズレート(対顧客市場)

TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)
円を外貨に替える時に適用される為替レートのこと。金融機関が、顧客へ外貨を販売する時のレートである。

TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate)
外貨を円に戻すときの為替レートのことを指す。金融機関が、顧客から外貨を購入する際のレートとなる。

TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)
金融機関が顧客と外国為替取引を行う際の当日受け渡し用の基準レートで、TTSとTTBの平均値である。

円を外貨に替える時に適用される為替レートはTTSで、預入時のTTS130.00円で10,000米ドルに替える時に、必要になる円は、

10,000米ドル × 130.00円 = 1,300,000円

10,000米ドルを、年率3.00%で1年預けると、利息は、

10,000米ドル × 3.00% = 300米ドル

よって、満期における元利合計額は、10,000米ドル + 300米ドル = 10,300米ドルである。

外貨を円に戻すときの為替レートはTTBである。満期時のTTB134.00円で10,300米ドルを円に戻すと、

10,300米ドル × 134.00円 = 1,380,200円

運用益は、
1,380,200円 ー 1,300,000円  =  80,200円

運用利回りは、
80,200円 ÷ 1,300,000円 × 100 = 6.1692・・%

6.17%(小数点以下第3位を四捨五入)