今回のテーマは、「鉄筋コンクリート」である。
それでは、「令和3年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和3年度 管理業務主任者試験問題 【問 18】
【問18】鉄筋コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 建築基準法によれば、特定の要件を満たす部材を除いて、布基礎の立上り部分を除いた基礎においては、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、捨コンクリートの部分を除き、6㎝以上としなければならない。
2 コンクリートは、通常の使用範囲において温度上昇に伴う膨張の程度が鉄筋とほぼ等しい。
3 硬化したコンクリートが、空気中の二酸化炭素の作用によって次第にアルカリ性を失って中性に近づく現象を中性化という。
4 アルカリ骨材反応とは、アルカリ反応性骨材と鉄筋が長期にわたる化学反応により、その鉄筋が発錆(はっせい)し膨張することで、コンクリートにひび割れを生じたり崩壊したりする現象をいう。
令和3年度 管理業務主任者試験問題
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2021年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年5月26日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 正しい。
鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。(建築基準法施行令79条)
2 正しい。
コンクリートは、通常の使用範囲において温度上昇に伴う膨張の程度が鉄筋とほぼ等しい。
3 正しい。
硬化したコンクリートが、空気中の二酸化炭素の作用によって次第にアルカリ性を失って中性に近づく現象を中性化という。
4 誤り。
アルカリ骨材反応とは、コンクリート中のアルカリ性水溶液と骨材中の不安定な鉱物(反応性鉱物)とが反応し、膨張性の物質が生成されることをいう。 この反応生成物が骨材内部や骨材周囲に膨張圧を及ぼし、コンクリートを膨張させたり、ひび割れを生じさせる。