今回のテーマは、「民法上の贈与」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題51

問題 51
民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。
2.負担付贈与とは、贈与者が受贈者に対して一定の債務を負担させることを条件とする贈与をいい、
その受贈者の負担により利益を受ける者は贈与者に限られる。
3.死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいい、贈与者のみの意思表示により成立
する。
4.定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈
与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:4

2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマについては、これまでに扱っている。↓

FPトピックス(贈与と贈与税)

1 誤り。

贈与契約

  • 当事者の一方(贈与者)の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方(受遺者)がそれを受諾することによって成立する片務・諾成契約である。
  • 書面によらない贈与は、履行前であればいつでも解除することができる。原則として、履行後に解除することはできない。

2 誤り。

負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなす債務を負担させる贈与契約である。(民法533条)
「給付」は、贈与者に対するものでも第三者に対するものでもよい。

贈与の種類内容
定期贈与・定期の給付を目的とする贈与
贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う
負担付贈与・受遺者に一定の債務を負わせる贈与
・受贈者が債務を履行しない場合は贈与者は負担付贈与契約を解除できる。
死因贈与・贈与者の死亡により効力を生じる贈与
贈与者が生きている間に受贈者との間で締結される契約である。
・その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される。
贈与の種類

3 誤り。

肢2の解説を参照。

4 正しい。

肢2の解説を参照。