今回のテーマは、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験 (2022年度9月実施)

問題 47
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.区分所有建物ならびにその敷地および附属施設の管理を行うための区分所有者の団体(管理組合)は、区分所有者全員で構成される。

2.区分所有建物のうち、構造上の独立性と利用上の独立性を備えた建物の部分は、区分所有権の目的となる専有部分であり、規約によって共用部分とすることはできない。

3.共用部分に対する区分所有者の共有持分は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が有する専有部分の床面積の割合による。

4.規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要となり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。なお、法令等は、2022年10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 正しい。

区分所有者は、所有者自身の意思にかかわらず、区分所有者の団体(管理組合)の構成員となる。(必ず管理組合に加入しなければならない。)

2 誤り。

規約共用部分とは

本来は専有部分であるが、規約により共用部分(管理人室、集会所など)としているもの。居住用部分も規約で共用部分とすることができる。なお、規約共用部分を第三者に対抗するには、その旨の登記が必要である。

3 正しい。

共用部分の持分(所有割合)は、各区分所有者の専有部分の床面積の割合による。そして、その割合により管理費を負担する。なお、規約で別途定めることができる。

4 正しい。

規約の設定や変更・廃止を行う場合には、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要となる。なお、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

(規約の設定、変更及び廃止) 第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
(略)

建物の区分所有等に関する法律・e-Gov

(参考)うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版(日本経済新聞出版 )、史上最強のFP2級AFPテキスト22-23年版( ナツメ社 )