今回のテーマは、「固定利付債券の利回り」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験 (2022年度9月実施)
問題 23
固定利付債券の利回り(単利・年率)と価格との関係に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
表面利率が1.00%で、償還までの残存期間が5年の固定利付債券を、額面100円当たり102円で購入した投資家が、2年後に、額面100円当たり101円で売却した。この場合の所有期間利回りは( ア )であり、償還期限まで5年間保有した場合の最終利回りよりも( イ )。
1.(ア)0.49% (イ)高い
2.(ア)0.49% (イ)低い
3.(ア)0.59% (イ)高い
4.(ア)0.59% (イ)低い
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2022年度9月実施)
それでは、問題文を検討していこう。
所有期間利回りとは
債券を時価(市場価格)で買い付け、償還期限まで保有せず中途売却する場合において、購入価格に対する収益の割合(1年間に受け取る利子と1年あたりの売却差損益の合計)をいう。
所有期間利回り(%) $=\frac{利率+\frac{売却価格-購入価格}{所有期間}}{購入価格} ×100$
問題に当てはめて計算すると、所有期間利回りは、
$\frac{1.0+\frac{101-102}{2}}{102} ×100=0.49$%(小数点以下第3位を四捨五入)
となります。
最終利回りとは
すでに発行されている債権を時価(市場価格)で買い付け、償還期限まで保有した場合において、購入価格に対する収益の割合(1年間に受け取る利子と1年あたりの売却差損益の合計)をいう。
最終利回り(%) $=\frac{利率+\frac{償還価格(100円)-購入価格}{残存期間}}{購入価格} ×100$
問題に当てはめて計算すると
$\frac{1.0+\frac{100-102}{5}}{102} ×100=0.59$%(小数点以下第3位を四捨五入)
となります。
したがって、「所有期間利回り」は「最終利回り」より低くなります。
(参考)うかる! FP2級・AFP 王道テキスト 2022-2023年版(日本経済新聞出版 )