今回のテーマは、「借地借家法(借家権)」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題45

問題 45
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第38条による定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。

1.普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。
2.期間の定めのない普通借家契約において、建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをし、正当の事由があると認められる場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6ヵ月を経過することによって終了する。
3.もっぱら事業の用に供する建物について定期借家契約を締結する場合、その契約は公正証書によってしなければならない。
4.定期借家契約は、契約当事者間の合意があっても、存続期間を3ヵ月未満とすることはできない。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:2

2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

本テーマはこれまでにも取り上げている。↓

借地借家法の適用を受ける建物(用途に制限なし)の賃貸借のことを借家権という。普通借家権と定期借家権がある。
ただし、一時使用目的の賃貸借には、借地借家法は適用されない。

1 誤り。

普通借家契約とは、存続期間が満了した場合、借主が借家契約の更新を請求でき、貸主は正当事由がない限り、契約の更新を拒むことができない契約である。

存続期間は1年以上で、上限はない。なお、1年未満の期間を定めた場合、期間の定めのない契約とみなされる。
(借地借家法29条)

普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、期間の定めのない契約とみなされる。

2 正しい。

期間の定めのない普通借家契約において、建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをし、正当の事由があると認められる場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6ヵ月を経過することによって終了する。

3 誤り。

定期借家契約の契約方法は、書面(電磁的記録も可)による。これは、公正証書に限らない
なお、契約前に、契約の更新がない旨を記載した書面を交付して説明する必要があり、これを怠ると更新のある普通借家契約となる。

4 誤り。

定期借家契約は、契約期間の制限はなく、自由で、1年未満も可能である。