今回のテーマは、「公的年金」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題5

問題 5
公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。
2.学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。
3.老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。
4.加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額についても繰下げ支給による増額の対象となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年9月10日実施)

正解:4

2023年9月実施の問題は、2023年4月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿の正解及び解説は2023年10月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマはこれまでにも取り上げている。↓

FP2級の過去問を解こう(2023年5月)「国民年金」

1 正しい。

国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間(1か月以上)を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。

2 正しい。

学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。

3 正しい。

老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。

なお、老齢厚生年金の繰下げ支給は、老齢基礎年金とは別に老齢厚生年金のみを繰り下げることができる。

4 誤り。

加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額については繰下げ支給による増額の対象とならない。そして、繰り下げ支給の老齢厚生年金の支給開始まで支給されない。