今回のテーマは、「公的年金等に係る税金」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題7

問題 7
公的年金等に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.遺族基礎年金および遺族厚生年金は、所得税の課税対象とならない。
2.老齢基礎年金および老齢厚生年金は、その年中に受け取る当該年金の収入金額から公的年金等控除額を控除した金額が雑所得として所得税の課税対象となる。
3.確定拠出年金の老齢給付金は、その全部について、一時金として受給する場合は一時所得として、年金として受給する場合は雑所得として所得税の課税対象となる。
4.老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給者が死亡した場合において、その者に支給されるべき年金給付のうち、まだ支給されていなかったもの(未支給年金)は、当該年金を受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマはこれまでに取り上げている。↓
FP2級の過去問を解いてみよう(公的年金等に係る税金)

1 正しい。

公的年金のうち、老齢給付は、雑所得として所得税および住民税の課税対象となるが、障害給付、遺族給付は非課税である。

2 正しい。

公的年金等については、雑所得として所得税および住民税の課税対象となるが、雑所得は、公的年金等の収入金額(源泉所得税控除前)から公的年金等控除額を引いて計算する。

3 誤り。

確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受給する場合、その一時金は、退職所得の対象となる。

4 正しい。

未支給年金請求権については、当該死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給年金を自己の固有の権利として請求するものであり、当該死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはならない。
 なお、遺族が支給を受けた当該未支給年金は、当該遺族の一時所得に該当する

(参考)未支給の国民年金に係る相続税の課税関係(国税庁ホームページ)