今回のテーマは、「国民年金」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題5

問題 5
国民年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.学生納付特例期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されない。
2.生活保護法による生活扶助を受けることによる保険料免除期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金の年金額には反映されない。
3.保険料免除期間に係る保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前5年以内の期間に係るものに限られる。
4.産前産後期間の保険料免除制度により保険料の納付が免除された期間は、保険料納付済期間として老齢基礎年金の年金額に反映される。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:4

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。↓

FP2級の過去問を解こう(2022年9月)(国民年金の保険料)

1 誤り。

学生納付特例制度による猶予期間は、老齢基礎年金の受給期間には算入される。なお、追納しなければ、老齢基礎年金の額の計算にはまったく反映されない。

2 誤り。

生活保護の生活扶助を受けている方などは、国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出すると、国民年金保険料が免除される。

この期間についての老齢基礎年金の額は、平成21年(2009年)3月以前の期間は1カ月を3分の1、平成21年(2009年)4月以降の期間は1カ月を2分の1で計算される。

(参考)国民年金保険料の法定免除制度(日本年金機構のWebサイト)

3 誤り。

法定免除や申請免除、学生納付特例制度などにより、保険料の免除・猶予を受けていた者が、その後、保険料を納めることができるようになったとき、免除・猶予を受けていた期間の保険料の全部または一部を追納できるのは追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られる。

(参考)国民年金保険料の追納制度(日本年金機構のWebサイト)

4 正しい。

産前産後期間の免除制度では、出産※予定日または出産日が属する月の前月から4カ月間の国民年金保険料が免除される。
※出産とは、妊娠85日(4カ月)以上の出産をいう。(死産、流産、早産された方を含む。)

産前産後期間の免除制度は、「保険料が免除された期間」も保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映される
届出を行う期間について、すでに国民年金保険料免除・納付猶予、学生納付特例が承認されている場合でも、届出が可能である。

(参考)国民年金保険料の産前産後期間の免除制度(日本年金機構のWebサイト)