今回のテーマは、「雇用保険の育児休業給付および介護休業給付」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題4

問題 4
雇用保険の育児休業給付および介護休業給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。

1.育児休業給付金は、子が1歳に達した日後の期間について休業することが特に必要と認められる場合、最長で子が1歳2ヵ月に達する日の前日まで支給される。
2.育児休業給付金に係る支給単位期間において支払われた賃金額が、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の80%相当額以上である場合、当該支給単位期間について育児休業給付金は支給されない。
3.被保険者が、一定の状態にある家族を介護するための休業をした場合、同一の対象家族について、通算3回かつ93日の介護休業を限度として、介護休業給付金が支給される。
4.複数の被保険者が、同一の対象家族について同時に介護休業を取得した場合、それぞれの被保険者に介護休業給付金が支給される。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。↓

FPトピックス(雇用保険)

1 誤り。

育児休業給付金は、雇用保険の被保険者の方が、原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得して、要件を満たした場合に支給される。
休業開始日から、当該休業に係る子が1歳(いわゆるパパ・ママ育休プラス制度を利用して育児休業を取得する場合は1歳2か月。さらに保育所における保育の実施が行われない等の場合は1歳6か月または2歳)に達する日前までにあるものとなる。

したがって、最長で子が1歳2ヵ月に達する日の前日までではない。

2 正しい。

休業期間中に賃金が支払われている場合は、その額が休業開始前賃金月額の80%未満であることが支給の要件となる。

3 正しい。

介護休業給付金は、要件を満たす介護休業について、支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給される。

支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%

4 正しい。

複数の被保険者が同時に介護休業を取得した場合、それぞれ、支給要件を満たせば支給可能である。

(参考)Q&A~育児休業給付~(厚生労働省)
   Q&A~介護休業給付~(厚生労働省)