今回のテーマは、「株式の投資指標」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

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ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題25

問題 25
下記<X社のデータ>に基づき算出される投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<X社のデータ>
株価2,700円
発行済株式数0.5億株
売上高2,000億円
経常利益120億円
当期純利益75億円
自己資本(=純資産)2,500億円
配当金総額30億円


1.ROEは、3.75%である。
2.PERは、18倍である。
3.PBRは、0.54倍である。
4.配当性向は、40%である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

それでは、各肢を検討していこう。

1 誤り。

自己資本利益率(ROE)とは

自己資本を使ってどれだけ最終利益を上げているのかを見る指標。その会社の収益力を表す。

自己資本利益率(%)(ROE) =  $ \frac{当期純利益}{自己資本}×100$

問題に当てはめて計算すると、
自己資本利益率(%)(ROE) = $ \frac{75億円}{2,500億円}×100$ = 3.0%

X社のROEは、3.0%である。

2 正しい。

株価収益率(倍)(PER)とは

株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価収益率(倍)(PER) = $ \frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$

問題に当てはめて計算すると、
1株あたり当期純利益(EPS)  = $ \frac{当期純利益}{発行済株式数}$ なので、
1株あたり当期純利益(EPS)  = $ \frac{75億円}{0.5億株}$ = 150円

株価収益率(倍)(PER) =  $ \frac{2,700円}{150円}$ = 18倍

3 正しい。

株価純資産倍率(PBR)とは

株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価純資産倍率(倍)(PBR) = $ \frac{株価}{1株あたり純資産(BPS)}$

問題に当てはめて計算すると、
1株あたり純資産(BPS) = $ \frac{純資産}{発行済株式数}$ なので、
1株あたり純資産(BPS) = $ \frac{2,500億円}{0.5億株}$ = 5,000円

株価純資産倍率(倍)(PBR) = $ \frac{2,700円}{5,000円}$ = 0.54倍

4 正しい。

配当性向とは

配当金を当期純利益で割ることで求められる指標で、利益のうち、株主に還元した割合がわかる。

配当性向(%) =  $ \frac{配当金}{当期純利益}×100$

問題に当てはめて計算すると、

配当性向(%) =  $ \frac{30億円}{75億円}×100$ = 40%