今回のテーマは、「東京証券取引所の市場区分等」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題24

問題 24
東京証券取引所の市場区分等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.東京証券取引所は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場およびTOKYO PRO Marketの4つの株式市場を開設している。
2.日経平均株価は、プライム市場に上場している銘柄のうち、時価総額上位225銘柄を対象として算出される株価指標である。
3.プライム市場における上場維持基準は、株主数や流通株式数等において、スタンダード市場およびグロース市場よりも高い数値が設定されている。
4.グロース市場に上場している銘柄であっても、プライム市場における新規上場基準等の要件を満たせば、所定の手続きにより、プライム市場に市場区分の変更をすることができる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

なお、本テーマについては、これまでにも取り上げている。↓

FP2級の過去問を解いてみよう(2023年1月)「東京証券取引所の市場区分等」

1 正しい。

東京証券取引所は、一般投資家を対象とした、プライム市場スタンダード市場グロース市場と、プロの投資家を対象としたTOKYO PRO Marketの4つの株式市場を開設している。

2 誤り。

日経平均株価とは
日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場上場銘柄から選定した225銘柄から構成される平均株価のこと。
日経平均株価に組み入れる銘柄は、東証プライム市場の代表的な銘柄を選定・指標としているため、定期的に組み入れ銘柄の見直しが行われている。
225銘柄の株価の平均値であるため、株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすいという特徴がある。

したがって、時価総額上位225銘柄を対象として算出されるのではない。

3 正しい。

上場維持基準は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の順で高い数値が設定されている。

プライム市場スタンダード市場グロース市場
株主数800人以上400人以上150人以上
流通株式数20,000単位以上2,000単位以上1,000単位以上
流通株式時価総額100億円以上10億円以上5億円以上
売買高平均売買代金
0.2億円以上
月平均10単位以上月平均10単位以上
上場維持基準

4 正しい。

各市場区分はそれぞれ独立しており、上場会社が他の市場区分へ変更する場合には、変更先の市場区分の新規上場基準と同等の基準に基づく審査を改めて受け、その基準に適合することが必要となる。
(参考)日本取引所グループのWebサイト