今回のテーマは、「債券のデュレーション」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題23
問題 23
債券のデュレーションに関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
デュレーションは、債券への投資資金の平均回収期間を表すとともに、債券投資における金利変動リスクの度合い(金利変動に対する債券価格の感応度)を表す指標としても用いられる。他の条件が同一であれば、債券の表面利率が( ア )ほど、また残存期間が長いほど、デュレーションは長くなる。なお、割引債券のデュレーションは、残存期間( イ )。
1.(ア)高い (イ)と等しくなる
2.(ア)低い (イ)よりも短くなる
3.(ア)高い (イ)よりも短くなる
4.(ア)低い (イ)と等しくなる
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)
それでは、問題を検討していこう。
債権の市場リスクの度合いは、デュレーションにより表すことができる。
デュレーションとは、債権の平均回収期間を表すとともに債券投資におけるリスク指標である。
デュレーションの長い債券は、市場リスクが大きく、デュレーションの短い債券は市場リスクが小さい。
デュレーションについては、利率が低くなると、デュレーションは長くなり、利率が高くなると、デュレーションは短くなる。そして、残存期間が短くなると、デュレーションも短くなり、残存期間が長くなると、デュレーションは長くなる。
このことから、債券は、利率が低く、残存期間が長いほど金利リスクが大きいと言える。
なお、割引債券は、利子収入がないため、割引債券のデュレーションは、債券の残存期間と等しくなる。