今回のテーマは、「為替相場や金利の変動要因等」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題21

問題 21
為替相場や金利の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に円高米ドル安の要因となる。
2.米国が政策金利を引き上げ、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
3.日本の対米貿易赤字が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
4.日本銀行が、国債買入オペによって長期国債(利付国債)を買い入れ、金融市場に資金を供給することは、一般に市中金利の低下要因となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
本テーマについては、これまでに扱っている。↓

FPトピックス(金融政策と金利)

1 誤り。

為替の変動要因
購買力平価
貿易相手国の物価と比較して為替を計算する方法。長期的な為替の見方を表し、物価が上昇すると、その国の通貨は安くなる。

したがって、一般に円安の要因となる。

2 正しい。

為替の変動要因
内外金利差
日本と外国の金利差。
一般的にお金は金利が高い方に流れる傾向がある。米国が金利を引き上げると、日本から米国にお金が流れ、円が売られ、(円安)ドルが買われる。(ドル高)

3 正しい。

為替の変動要因
貿易収支の状況
日本の対米貿易赤字が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
対米貿易赤字が拡大すると、輸入が輸出を上回り、輸入による代金を支払うため円をドルに交換する需要が高まるため。

4 正しい。

日銀の金融政策
公開市場操作

景気刺激策(金融緩和)景気抑制策(金融引き締め)
買いオペ市場資金を供給売りオペ市場資金を吸収

・買いオペ → 資金供給 → 金利低下(金融緩和)
・売りオペ → 資金吸収 → 金利上昇(金融引き締め)