今回のテーマは、「生命保険の一般的な商品性」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題12

問題 12
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

1.変額保険(終身型)では、契約時に定めた保険金額(基本保険金額)は保証されておらず、運用実績によっては、死亡保険金額が基本保険金額を下回る。
2.特定(三大)疾病保障定期保険では、がん、急性心筋梗塞、脳卒中以外で被保険者が死亡した場合でも死亡保険金が支払われる。
3.収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少ない。
4.低解約返戻金型終身保険では、他の契約条件が同一で低解約返戻金型ではない終身保険と比較して、保険料払込期間中の解約返戻金額が低く抑えられており、割安な保険料が設定されている。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年5月28日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。
2023年5月実施の問題は、2022年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は2023年4月1日現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 誤り。

変額保険は、運用の成果が、契約者に直接帰属する保険である。運用がうまくいくと多くの保険金額や解約返戻金が支払われる一方で、運用がうまくいかない場合は、満期保険金や解約返戻金が、払込保険料総額を下回ることもある投資性商品である。

ただし、被保険者が、死亡または高度障害になる保険事故が起きたときは、基本保険金額が最低保証される

2 正しい。

特定(三大)疾病保障定期保険とは、
がん急性心筋梗塞脳卒中により所定の状態と診断された場合に、死亡保険金と同額の保険金を特定疾病保険金として生前に受け取ることができる保険である。

ただし、特定疾病保険金が支払われると、保険契約は消滅する

なお、この保険は、死亡及び高度障害を保障する生命保険の一種であるので、特定疾病保険金が支払われず、被保険者が死亡高度障害になった場合には、通常の定期保険や終身保険と同様、死亡・高度障害保険金が支払われる。

3 正しい。

収入保障保険(生活保障保険)の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなる

4 正しい。

低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間満了までは、解約返戻金を少なくすることで、保険料を安くした終身保険である。保険料払込期間満了は、解約返戻金は通常に戻る