今回のテーマは、「公的医療保険」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題3

問題 3
公的医療保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の一般保険料率は、都道府県ごとに算定され、保険 料は、原則として、労使で折半して負担する。

2.自営業者や農林漁業従事者などが被保険者となる国民健康保険は、国が保険者として運営している。

3.退職により健康保険の被保険者資格を喪失した者が、健康保険の任意継続被保険者になるためには、 資格喪失日の前日まで継続して1年以上の被保険者期間がなければならない。

4.健康保険や国民健康保険の被保険者は、原則として、70歳に達したときに、その被保険者資格を 喪失して後期高齢者医療制度の被保険者となる。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2023年1月22日実施)

正解:1

それでは、問題文を検討していこう。なお、法令等は、2022年(令和4年)10月1日現在で施行されているものに基づくものとする。

1 正しい。

全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)は、都道府県別に保険料率が設定され、労使折半で負担する。(被保険者と事業主で半分ずつ)

2 誤り。

国民健康保険の保険者には、都道府県および市区町村(両者が共同で実施)と、業種別に組織された国民健康保険組合がある。

3 誤り。

退職して、健康保険の被保険者の資格を失ったときは、下記の要件を満たした場合、希望すれば、2年間、健康保険の任意継続被保険者となることができる。なお、保険料は全額自己負担となる。

  • 継続して2か月以上の被保険者期間があること。
  • 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申請すること。

任意継続被保険者の資格喪失事由の追加(2022 年 1 月より)
→資格喪失を希望する旨の申出が可能となった。

4 誤り。

後期高齢者医療制度

運営主体は、都道府県ごとの区域内のすべての市区町村が加入する後期高齢者医療広域連合(以下広域連合という)である。保険料の徴収などは市区町村が行う。(原則として、すべての対象者が年金からの天引き(特別徴収)となる。)

FP先生

※年金金額が18万円未満の場合、納入通知書もしくは口座振替でのお支払いとなります。(普通徴収)

区域内に住所を有する75歳以上の者、または、65歳以上75歳未満で、一定の障害がある旨の広域連合の認定を受けた者は全員加入する。

75歳になると、誰もがそれまで加入していた健康保険や国民健康保険から脱退して加入する。健康保険等の被保険者または被扶養者ではなくなる。

後期高齢者医療における窓口負担割合の改正(2022 年 10 月より)

一般所得者の自己負担割合は 1 割、課税所得 28 万円以上で年金収入+その他の
合計所得金額が一定額以上ある者は 2 割、現役並み所得者は 3 割

(参考)’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい)